相続登記の義務化がされると誰が困るのか?

本棚にある不動産登記総覧

相続登記・・・不動産の名義を故人から相続人へ変更する不動産登記のことです。

 

政府が進めている、所有者不明土地問題の解消に向けた取組=空き家・空き土地問題の解消として、相続登記の義務化が検討されています。

 

「登記はそもそも義務ではないの?」 といった疑問や、「そんなに登記せずに放置する人なんていないでしょ?」 と思われる方も多いかもしれませんが・・・現実としては諸々の事情があり、登記をされていない方と言うのは一定数いらっしゃいます。

参照:登記は義務ではありません①・・・そもそも不動産登記って何? 

 

この不動産登記の放置により、震災復興の妨げとなったり公共用地の取得の妨げ、空き家によるゴミ屋敷化となることもしばしばあり、日本は急速な高齢化の進展により、毎年多くの方が亡くなる多死社会でもあり、社会問題の一つとして、見過ごせない状況となっています。現状では国や地方自治体が困っていますね。

 

そこで、土地の権利関係を明確にするため、相続登記の義務化が進められようといしているというわけです。

 

 

現状では有識者による検討段階ではありますが、一つ気になる点として、 罰則・過料に処す というのがあります。

参照・登記制度・土地所有権の在り方等 に関する研究報告書 - 法務省

 

要は、相続手続きやらない人からは、行政により課される制裁金(10万円以下などで検討されているようです)を徴収するよ、ということが検討されているようです。

 

さらには、法改正が行われた時点以降に発生した相続登記だけでなく、長らく放置してきた申請されていない事例についても適用されることが検討されているようです。

 

そうすると、今度は相続人が困ってしまうことになりそうです。

 

ただ、専門家に依頼するより罰金の方が費用負担が少ない・安いんじゃないのか・・・、という風に考える方もいらっしゃるであろうことなると、敢えて放置する、という問題も発生しそうでもあります。

 

ただ、放置しても土地・建物の売却や、建替えやリフォームなどで抵当権を付ける(ローンを組む)など起こり得るので、いずれは登記をしなくてはいけないタイミングは来ます。

 

そのシワ寄せが、手間と費用が子供や孫に先送りされ、困るのは子孫達ということにもなります。

 

アメとムチ、ではないですが、自ら進んで登記を行う人に対しては、税制上の優遇措置を講じる・専門家への依頼費用に助成金や補助金を交付する、なども検討されているようです。
関連外部リンク:法務局 相続登記の登録免許税の免税措置について

 

相続人に相続登記が義務付けられることにはなっていくとは推測されます。(誰が義務を負うのかの判定も難しい面があります)

ですので、相続の放棄をした人(裁判所で相続放棄の申述の手続をした方)は、法律上、初めから相続人とはならなかったものとみなす、とあるため、義務を負うことはないと解釈できるはずです。相続放棄は一定の期日までに行わなければならない手続きですので、今後相続に関連する手続きの周知が進んでいってほしいものです。

 

相続登記の義務化については、法整備や改正としては2020年8月時点では不確定ではあります。

ただ、各方面から出てくる情報としては有る程度固まってきている面もあり、『自分には無関係だから放っておいてもいいや』などとは思わず、各家庭の事情はあっても相続手続きについては適宜進めておいた方が良いと考えます。

 

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