借金などマイナスの財産の相続を回避する方法 相続放棄について解説

相続放棄のメリットデメリットと手続きの流れ

 

マイナスの財産を相続するのイヤだなぁ・・

と言う相続時の選択肢、もっとも一般的なものが相続放棄です。

 

資産と負債、清算してプラスの分だけ欲しい・・と言った場合には限定承認という選択肢もあります。

参照:相続における限定承認・・聞いたことあるけどメリットはあるの?

過去ブログでも触れていますが、限定承認の手続きは難易度などを踏まえ費用と手間が掛かるのがネックです。特別な事情がある方以外は、あまり選ばれていません。

 

 

今回は相続放棄の流れについて解説していきたいと思います。

 

1. 相続放棄とは

2. メリット

3. デメリット

4. 事例

5. まとめ

 

 

まずはじめに

1. 相続放棄とは

 

お亡くなりになった方(被相続人と言います)のプラスの財産(預貯金や不動産)/マイナスの財産(借金)のどちらも受け継がないということを、家庭裁判所に申し出て正式に相続人ではなかったこととすることです。

 

相続放棄の手続きは相続を知った日から3カ月以内家庭裁判所相続放棄の申述書・その他添付書類・印紙・切手などを提出して行います。

参照:トップ > 裁判手続案内 > 裁判所が扱う事件 > 家事事件 > 相続の放棄の申述

提出先は、被相続人の最後の住所地家庭裁判所です。川崎市内の方が亡くなった場合には横浜地方・家庭裁判所or横浜地方・家庭裁判所川崎支部で手続きが必要です。各地区ごとに管轄が決まっています。

管轄裁判所を調べたい方はこちら

 

この知った日、と言うのは親などの場合では死亡日・もしくは死亡の連絡が伝わったとされる日

次順位の相続人などの場合は、相続の事実を知った日=前順位の相続人の全員が相続放棄したことにより自分が相続人となったことを知った日、となります。

全ての関係者に於いて死亡日が起算日となるわけではありません。

 

疎遠な親戚などで誰からも死亡の連絡がなく、ある日突然債権者(借金を貸していた人)が「あなたが次順位の相続人ですので債務(借金)を返済してください」との連絡で初めて被相続人の死亡を知った、であればその日相続を知った日になります。(その日から3カ月以内)

 

提出先は被相続人の最後の住所地の管轄家庭裁判所となるため、ご自分の最寄りの家庭裁判所で手続きできるわけではありません。

 

ちなみに相続手続きを経験された方で、遺産分割協議で(相続人の話し合いで)「相続する財産を放棄したよ」、というケースはここで言う相続放棄とは違います。

法律的な手続きにおける相続放棄は家庭裁判所を通して行い、相続人ではなかったと扱われることとなります。

 

 

相続するか相続放棄するかを天秤にかける

 

 

2. メリット

 

借金の相続の回避、遺産分割協議へ参加しなくてよい、と言うのがあります。

 

明らかに借金がある場合は、関わりたくないものでしょう。

 

相続人同士での話し合いそのものに参加したくて済むという、手間を省けるのもメリットです。

 

 

 

3. デメリット

 

もし、財産の方が多かった場合でも、手放してしまうことになります。そして、見落としていた財産があったからと言って撤回ややり直しは出来ません。

 

相続放棄の手続きを終え、次順位の相続人などへの事前の連絡を怠るなどすると、親族間のトラブルの元となり得るので注意が必要です。(次順位の方がいきなりの連絡でビックリする、間違いや詐欺と勘違いして放置するなどのトラブル回避のためにご一報入れるのがベターです)

 

子が親の負債などを相続放棄した場合に、親の親(祖父母)が存命であれば繰り上がって相続人となり、手続きが遅れて負債を相続してしまうというリスクも起こり得ますね。

同様に叔父・叔母・甥・姪などが相続人になった場合にも「いつの間にか相続人になっていた、聞いてない!」と、トラブルになることも考えられます。

 

 

4. 事例 

 

相続放棄をするのが良い事例としては、

 

・明らかに負債の方が大きい

 

・疎遠な親戚に関わりたくない

 

・相続放棄をすることで相続人にならなかった扱いになることを利用し、不動産などを一部の相続人に集中させ、相続財産の管理を容易にするなどのケースでの活用

 

などあります。

ただ、相続財産の集中などは遺産分割協議書でも同様の事が出来ますので、相続人の親族関係に応じて相続放棄と遺産分割協議書を組み合わせた対応というのも可能です。

 

一般的には借金の相続を避けたい/親族と関わりたくないというのが組み合わさって相続放棄を検討されることが多いです。

 

 

 

5. まとめ

 

上記のように相続放棄は、多くの利害関係者/相続人・次順位に繰り上がる相続人/債権者などが関わってくる手続きです。

 

熟慮期間として3カ月の期間は与えられますが、人生の選択として大きな決断を迅速にしなくてはいけません。

 

相続・相続放棄に関しては、司法書士などの専門家に一度相談して、慎重にご判断頂くのがよろしいかと思います。

 

相続放棄にかかる費用、司法書士報酬については、費用一覧ページ・費用のQ&Aの②をご覧ください。

 

関連ブログ:相続手続き、いつまでにする?

 

 

 ブログテーマ → 相続

 

       → 相続事例

 

 

各ブログテーマも参照して頂ければ幸いです。