最悪のケースで法人解散も…役員の変更登記、忘れてませんか?

会社経営者の皆さん、役員の変更登記を忘れてはいませんか?

役員変更登記を忘れてる方が増えてます

 

公開会社(※)ではない株式会社の取締役及び監査役の任期は、定款で定めることにより最長で選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで伸長することができます(会社法第332条第2項、第336条第2項)。

 

上記の役員任期=10年と言うのは、平成18年の法改正によるものです。

 

当たり前に 任期は10年 と思われている方もいらっしゃるようですが、定款での定めが必要です。

 

※ 公開会社とは,株式会社が発行する株式の全部又は一部につき,株式の譲渡について株式会社の承認を要する旨の定款の定めがない株式会社をいいます。株式を市場に公開しているかどうかは関係ありません。

 

 

任期の10年が経過し、役員の変更の登記等をしないまま,株式会社の場合には,最後に登記をした時から12年を経過したとき,一般社団法人・一般財団法人の場合には,最後に登記をした時から5年を経過したときは,休眠整理作業の対象となり,その後も登記又は事業を廃止しない旨の届出をしない場合には,解散したものとみなされ,登記官の職権により解散の登記がされることになりますので,御注意ください

リンク:「休眠会社・休眠一般法人の整理作業の実施について」を御参照ください。

 

また,株式会社の役員の変更の登記は,登記の事由が発生した時から,本店の所在地において,2週間以内にしなければならないと定められています(会社法第911条)。

 

そのため,登記すべき期間内に登記を怠った場合,登記すべき期間後に登記申請をしたとしても,代表取締役に対して,裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります(会社法第976条)。

 

なお,一般社団法人・一般財団法人の場合も同様に過料に処される可能性があります(一般法人法第303条及び第342条)。

 

上記参考法務省ホームページ トップページ  >  法務省の概要  >  組織案内  >  内部部局  >  民事局  >  登記-商業・法人登記-< 役員の変更の登記を忘れていませんか?

 

平成18年の改正後、平成28年にまず最初の10年を迎える会社様が一定数ありまして、その当時は税理士・司法書士界隈では話題になったものです。

 

その役員任期10年が当たり前のようになり、その後、登記懈怠(とうきけたい:要するに役員登記の忘れ)が徐々に増えてきております。

 

注意喚起を含めてブログで解説していきます。

 

法改正以降、定款で定めることにより役員の任期を最長で10年にすることが出来るようにはなっています

10年が当たり前になってから

 

平成18年の改正以降、親族で役員を構成するなど、役員に関するリスクが低く、役員を変更する予定が無い中小の株式会社については、任期を伸長する定款変更を行うケースが多くなりました。

 

上記のように役員任期10年が当たり前のようになり、その後、登記懈怠(とうきけたい)が徐々に増えてきております。

 

経営者様の認識の中では、普通に10年と思っていらっしゃる方もおりますが、あくまで定款での定めが必要であり、平成18年以降定款の手直しがされていない場合には実際は2年の任期となります。認識の間違いにより、登記懈怠となってしまっている場合もあるので、ご不安な場合には定款の確認が必要です。

 

古くからある会社では、高齢化などもあって顧問の税理士さんが世代交代で変わってしまったり、担当の司法書士が10年経過を前に現役を退いていたりなど、役員の任期を見落としてしまうケースもあるようです。

 

役員の任期が2年だったころは、会社としての定例の業務ではあったものの、役員変更登記のコスト軽減を図り10年に変更、その10年に一度の役員改選を失念し、過料の対象となり、余計な費用の負担となることも。

 

更には、通知の見落としなどで、任期の問題を放置すると、登記官が職権で会社の解散登記を行う事になります。

 

役員の任期の確認を怠ることにより、いつの間にかご自身の会社が解散させられていた・・・という事も起こり得るのです。

 

登記懈怠、登記倦怠により会社の解散などの大変なことになります

役員登記を忘れて数年経過…

 

当事務所へのご相談としては、登記を忘れて数年経過してしまった・・・という状況でのお問い合わせが増加傾向にあります。

 

そして、過料については100万円以下という事を知り、果たしてどのくらいの負担となるのだろうか、と不安な気持ちになりご相談にいらっしゃいます。

 

実際のところ、どの程度の登記の遅れでどのくらいの金額の過料の請求が来るのかは基準は公開されておりません。経験則や伝聞したものを総合すると、経過した年数が長くなると高額になる傾向にあるようではあります。

 

ですので、面倒だからとか、どうせ過料払うのならこのままでいいや・・・と放置することの無いように変更登記をされることをお勧めします。

 

ちなみに、過料通知は役員の登記を入れてから数か月後に届くケースが多く、忘れた頃にやってくるので注意しましょう。しばらく過料の支払いが来なかったから、大丈夫かな・・?と思った頃に届きます・・・

 

 

定款を見直し、登記倦怠のないように手続きをすることで安心感を得られます

まとめ

 

 

最悪の場合には法人が解散になる、そういうリスクも伴う事も踏まえ、もし、役員の登記に不安がありましたら、定款を確認されることをお勧めします。

 

特に平成18年以降に会社を設立された方などは、役員の任期について意識していない方も多いようです。

会社設立の際に説明は受けているものと思いますが、10年経過で忘れてしまいます。役員の改選、と言われてもピンとこない方も多いかもしれません。

 

ご不安であれば、顧問の税理士先生、または司法書士に相談されることをお勧めします。

 

関連記事