一度書いた遺言、そのままで大丈夫?遺言を書き直す必要性を考える

遺言を書く団塊世代の男性の手とペン

さる11月15日が 『い・い・い・ごん』(いい遺言(いごん))の日として、りそな銀行が2006年に日本記念日協会の認定を受け制定された記念日となっています。家庭内での遺産相続をめぐるトラブルを防ぐための契機になれば、とのことで親戚が集まることの多い年末年始を前に相続について考えてほしいとの願いが込められているそうです。

 

そして今年は、例年にも増して遺言書の重要性が語られることが多いです。2020年(令和2年)の法改正、さらには新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけとなり、遺言書の作成・見直しの一大機会となっております。

 

現在2020年秋になり、新型コロナウイルスの第3波が来たと言われております。新型コロナウイルスは誰もが感染する可能性があり、人によって発症から重篤化までの進行スピードが早く、残された家族などに最後のメッセージを伝える時間が残されていないということも。

参照:コロナで入院して遺言書を書けなくなる前に(事例)

死を身近に感じる機会が増えたこともあり、遺言の重要性が再認識されています。

 

 

語られる機会が増えたきっかけのひとつに、去る2020年7月にスタートした自筆証書遺言保管制度があります。自筆証書遺言に付きまとっていた改ざんや紛失のリスクを低減することが期待されています。相続発生時の閲覧については、まず裁判所での検認は不要となるなどのメリットも。さらには相続人の誰かが閲覧した時点で他の相続人にも通知が行くように事前に設定することが可能となっており、一部の相続人だけが遺言を確認するという問題も起こりにくくなっています。

 

遺言書の表紙

 

ただ、自筆証書遺言と言うこともあり、要件を満たし法的効果を発揮しなくてはいけないので、体裁を整え、不動産の地番や地籍を正確に記載するなどの注意は不可欠です。遺言書の訂正に当たっては修正手順のミスなどもよく発生するので、専門家のアドバイスを受けた方がベターかもしれません。

参照:遺言書を保管する新しい制度が『遺言書の保管問題』を解決するかもしれません

 

 

もう一つの大きな改正としては、2020年4月にスタートした配偶者居住権があります。不動産以外の相続財産をあまり受け取ることが難しい、子と折り合いがよろしくない配偶者に対しての救済が主たる目的ではありますが、仲の良い家族でも活用出来るということで注目されております。

税理士先生などを筆頭に各士業の方々も相続税対策として配偶者居住権の活用を売り出していることもあり、2020年4月以降に作成した遺言から有効ということで、見直し・書き直しの需要が高まっています。こちらも各専門家の助言をもらって検討した方がベターではあります。

参照:配偶者居住権が2020年4月いよいよスタート

 

 

コロナの感染拡大を受け、にわかに注目を集めている危急時遺言という死期迫る緊急時に書ける遺言もあります。

病院のベッドの脇で遺言を聞き取るようなイメージですが、法的に有効にするための条件は厳しいと言わざるを得ません。

 

参照:特別方式の遺言【危急時遺言】

 

 

コロナで入院中の人の傍らで遺言の聞き取りをする医師

 

配偶者居住権のスタート、法務局での遺言書保管制度、コロナが突き付ける突然の死、もろもろ踏まえて改めて検討するべき時期と言えそうです。

一度書いた遺言の見直しも考えても良いかもしれません。

遺言を書くこと自体が、ご自身のご家族、経営者であれば自社の状況に加えて、資産のリスト化などをし、将来の方向性を見据えることにもなります。感染者数が増加傾向になる中で、未来を前向きに思い描き、家族へのメッセージを作られてはいかがでしょうか?

 

当事務所では、法的に無効になる心配のない公正証書遺言の作成をお勧めしています。

参照:公正証書遺言ができるまで

 

 

ブログテーマ → 遺言 についての記事もご参照ください。

 

 

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